■ 血液型はいつ検査をすべき? | 更新日: 2009/7/1(水) |
〜1歳未満で血液型検査をご希望の、保護者の方へ〜 ABO血液型には、「自分が持っていない型と反応する抗体が必ずつくられ存在する」という特徴があります。 例えば、A型の人は、赤血球の上にA抗原を持ち、血清の中に抗B抗体を持っています。B型の人は、赤血球の上にB 抗原を持ち、血清の中に抗A抗体を持っています。AB型の人は、赤血球の上にA抗原とB抗原を持ち、血清の中には抗A抗体と抗B抗体を持っていません。O型の人は、赤血球の上にはA抗原もB 抗原も持っておらず、血清の中には抗A抗体と抗B抗体を持っています。 そこで、ABO血液型については、赤血球上の抗原を調べる「オモテ検査」と、血清中の抗体を調べる「ウラ検査」の両方を行って総合的に判断します。 ところで、赤血球上の抗原であるA抗原とB抗原は胎児期でも検出できますが、新生児でもまだ十分でなく成人の抗原の1/3程度の量で、2〜4歳頃に成人並みになります。 一方、血清中の抗体である抗A抗体と抗B抗体は免疫グロブリンといわれる物質で、新生児では発達しておらず生後4カ月頃から作られるようになり、1歳頃には、ほぼすべての子どもで検出できるようになります。 このようなことから、1歳未満の乳幼児のABO血液型検査では、おもに本来あるべき抗A抗体と抗B抗体の産生が不十分なため、「オモテ検査」と「ウラ検査」の一致率は約50%といわれています。つまり、成人と比べて子ども、特に乳児早期のABO血液型検査は、調べるのに条件が悪いのです。 そのため、検査機関では1歳未満の乳児では、「ウラ検査」は行わず、「オモテ検査」だけで、ABO血液型を判定しています。 ですので、より信頼性の高い結果を得るには、「オモテ検査」と「ウラ検査」の両方ができる1歳以降のほうがよいのです。 「血液型が変わった」と思われているケースで実際に多いのは、記憶違いや、条件の悪い乳児期の検査で誤判定されたものといわれています。本当に血液型が変わるのは、血液型が異なる提供者から骨髄移植などの造血細胞移植を受けた場合です。 以上のことをご理解いただいた上で、血液型検査を受けることをお願いいたします。 なお、輸血の可能性がない状況で「血液型を知っておく」ために行う検査は、健康保険の対象外であり、自費となります。
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