■ 季節性インフルエンザ予防接種 Q&A 2009年 | 更新日: 2009/10/7(水) |
季節性インフルエンザ予防接種 Q&A 2009年
Q1 接種後の入浴や、日常生活は? A 入浴はしてよいです。過激な運動は避け、注射部位は清潔にして普段通りお過ごしください。
Q2 予防接種の効果は? A 100%の予防効果があるわけではありませんが、インフルエンザに罹りにくくなる、あるいは罹っても症状の重症化を抑えることができ、合併症をおこしたり死亡する危険性が少なくなります。 2歳未満であれば若干効果は劣りますが、2歳以上では年齢があがるにつれ効果も高まります。
Q3 毎年接種しなければならない理由は? A 毎年違うインフルエンザウイルスが流行するため、予防に必要な免疫も毎年違います。また、毎年同じインフルエンザウイルスが流行したとしても、予防接種で得られる免疫は約5ヶ月程度しか持続しません。以上2つの理由から毎年接種が必要です。
Q4 2回接種が必要な理由は? A 13歳未満の年少児では、1回の接種では十分な免疫が得られない場合があるため2回接種が必要です。 13歳以上では、ここ何年間かの間にインフルエンザに罹ったことがあったり、インフルエンザワクチンを接種したことがあれば、1回接種でも十分な免疫が得られると考えられています。ただし、受験の予定があったり、その他感染予防を確実にしなければならない特別な事情のある方には、2回接種を勧めています。
Q5 2回接種の場合の接種間隔は? A 原則的には、接種間隔は1〜4週間です。早期に有効な免疫を得るために1週の間隔で接種ができるようになっていますが、より免疫の獲得が良いのは3〜4週間の間隔で接種することです。 一方、小児では体調不良などで4週間以上の間隔をあけざるを得ない場合がありますが、最初からやり直す必要はなく確実に2回接種することが大切ですので、接種可能となったらできるだけ早期に受けましょう。
Q6 接種後の免疫の得られ方や持続は? A 1回目の接種1〜2週間後に免疫が上昇し始め、2回目の接種後1ヶ月後までにはピークに達し、3〜4ヶ月後には徐々に低下傾向となります。よって、ワクチンの予防効果は、接種後2週から5ヶ月程度です。
Q7 成人女性への接種、妊娠中や授乳中の接種はどうなりますか? A インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、胎児に悪影響を及ぼすとは考えられません。従って、接種後避妊の必要はありません。 妊娠初期は自然流産が起こりやすい時期であり、無用の混乱を避けるために、この時期の接種は避けた方が良いでしょう。妊娠中期(16週〜)以降で、インフルエンザ感染の可能性がある場合には、ワクチンの有益性を考慮して接種できますが、まずかかりつけの産婦人科の先生にご相談の上接種の許可をいただきましょう。 産後は、体調もほぼ回復する1ヵ月検診以降に接種するのが良いと考えますが、この場合もかかりつけの産婦人科の先生にまずご相談ください。 ワクチンの成分が母乳中に移行する量は極めて微量ですので、乳児への影響は無視し得ますから、授乳中であっても接種できます。
Q8 生後何ヵ月から接種できますか?1歳未満の乳児は接種した方がよいですか? A 生後6ヵ月未満の乳児に対して、ワクチンの効果や副反応に関しての研究は少なく十分わかっていないこと、またこの月齢までは妊娠中に母親から移行した免疫の効果が多少期待できることなどから、生後6ヵ月未満の乳児には接種いたしません。 また、1歳未満の乳児では、ワクチンの効果は十分には期待できず、インフルエンザに罹っても症状が軽いことが多いといわれているため、積極的な接種は必要ないかもしれません。しかし、集団保育中で罹るおそれが高い場合など、それぞれの状況に応じて当院では生後6ヵ月より接種を行います。 1歳未満の乳児がいる場合、同居するご家族が予防接種を受け、ウイルスを家庭内に持ち込まないようにすること、家族内感染を予防することが大切です。
Q9 卵アレルギーがありますが、接種できますか? A インフルエンザワクチンは発育鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造され、高度に精製されますが、極めて微量の鶏卵由来成分が含まれます。しかし、極めて微量なので全身性のアレルギー反応を起こす可能性は非常に低いと考えられ、軽症の卵アレルギーであればほとんどの場合は接種できます。例えば、卵の二次製品を食べても症状が出ない場合は、そのまま接種ができます。しかしながら、これまでに卵を食べて重篤な全身症状を起こしたなど過敏性の高い児や、検査の数値が高い児では接種できないことがありますので、医師と相談しましょう。 また、万が一アレルギー症状が出た場合の対応を考えて、接種後30分の間は院内で過ごして様子観察が必要ですので、卵アレルギーのある方は時間に余裕を持って早めに来院してください。
Q10 インフルエンザワクチンの副反応は? A 副反応は、主に10〜20%の人に注射部位の反応として発赤、腫張(はれる)、疼痛、硬結(しこりができる)、熱感、しびれ感などが起こりますが、2〜3日でよくなります。自覚症状が強いときは、冷やしたり、ステロイド軟膏を塗ったりして様子をみます。 全身の反応としては、5〜10%に発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、嘔吐・嘔気、下痢、関節痛、筋肉痛などがありますが、これも2〜3日でなくなります。 過敏症として、まれに発疹、蕁麻疹、湿疹、紅斑、掻痒感などが数日間みられることがあります。 また、非常にまれにアナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、けいれん、肝機能障害、喘息発作などの報告があります。
Q11 風邪をひいた後はいつから接種できますか? A 軽い風邪症状であれば、症状の回復期、あるいは症状が安定していれば接種できます。発熱があった場合は原則として解熱後1週間たってからですが、体調が良ければ1週間あけずに接種することも可能です。 例えば麻疹のような重症疾患では、罹るとしばらく免疫状態が低下するため、予防接種の効果が確実になる治癒後4週間後以降に接種します。 また、前に罹っていた感染症の続発合併症が起こる可能性のある間は、接種を控えた方がよいでしょう。例えば、溶連菌感染症(腎炎)やムンプス(髄膜炎)などでは注意が必要となります。 よくわからない場合は、医師に相談しましょう。
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