■ 手足口病 | 更新日: 2009/7/1(水) |
⑴手足口病とは 手足口病は、乳幼児・小児によくみられる疾患で、病名のごとく手のひら、足の裏、口の中の発疹が特徴です。一般的には、約1/3に微熱を伴う軽い病気で、ほとんどの人が1週間から10日程度で自然に治ります。夏を中心に流行します。合併症はほとんどありませんが、まれに髄膜炎、小脳失調、脳炎などの中枢神経症状がみられると入院が必要となります。 ⑵原因 手足口病はいくつかのウイルスが原因でおこります。最も一般的なのはコクサッキーA16ですが、その他エンテロウイスル71なども原因となります。いずれのウイルスでも現れる症状は同じです。 ⑶症状 手足口病の発疹の特徴は、手のひら、足の裏、手や足の指と指の間にできる水疱性の発疹(中に水を持った小さな水ぶくれのような発疹)で、口の中にも同じような発疹がみられることです。口の中の発疹は痛みを伴うことがありますが、手足の発疹はかゆみや痛みを伴わないのが普通です。発疹は、手足全体、肘や膝、あるいはお尻にみられることもあります。 その他の症状として、発熱はないことが多いですが、病初期に約1/3に微熱を1〜2日伴うことがあり、また軽いのどの痛みとそれによる食欲低下(おなかはすくが、痛みのために食べられない)がみられます。 ⑷潜伏期間 感染してから手足口病の症状がでるまでの期間(潜伏期間)は、一般的に3日から6日と報告されています。 ⑸感染経路 感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・接触などの経路により人から人に感染します。水疱内容からの直接感染もあります。 ⑹どのような人がかかるのか 通常は、10歳以下の乳幼児・小児にみられますが、大人もかかることがあります。一度かかると免疫が成立し(防御の仕組みができあがる)ますが、手足口病の原因ウイルスは複数ありますので、免疫の成立していない別のウイルスによって再度かかることがあります。 ⑺治療法 手足口病を根本的に治す治療法はありません。発熱、頭痛、口の中の痛みなどの、それぞれの症状を和らげる治療を必要に応じて行います。発疹は、基本的には自然に消えていくのを待ちます。 ⑻家庭で気をつけること @食べ物;口の中が痛い時は、しみないもの、のどごしの良いものを与えましょう。熱いもの、塩味や酸味の強いもの、かたいものはひかえます。口の中が痛くて水分を取らず、元気のない時は診察を受けて下さい。 A入浴;熱がなく元気であれば、かまいません。 ⑼どのような症状の変化に注意したらよいか 突然の高熱、あるいは微熱でも持続する、頭痛・嘔吐を繰り返す、意識状態に変化がみられるなどの場合は要注意です(髄膜炎などの可能性)。診察を受けて下さい。 ⑽保育所、幼稚園、学校 熱がなく元気で食欲良好であれば、行ってかまいません。 ただし、保育所、幼稚園では、集団発生を避けるために休むようにお願いされることがあるようです。 ⑾予防方法 手足口病には有効なワクチンはありません。従って ・手洗いの励行(これは特におむつなどを交換したときに重要です) ・汚れた衣服は洗濯する といった、一般的な注意が必要です。
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