下記ボタンより、各病気についてのPDF資料がダウンロードできます。
更新日:2011/6/17(金)
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会・日本小児感染症学会の統一見解として、下記のように平成22年7月に出されています。
当院でもこの見解に基づいてお話していますので参考にして下さい。
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学校感染症 第三種 その他の感染症 : 皮膚の学校感染症に関する統一見解
お子さんとその保護者さんへ
皮膚の学校感染症について
保育園・幼稚園・学校へ行ってもよいか?
休まなければならないか?
1)手足口病
手足の水ぶくれが消えて、口内炎が治っても、便の中には原因のウイルスが長い間出てきます。トイレで用を済ませた後は手洗いをきちんとしましょう。
口内の発疹で食事がとりにくい、発熱、体がだるい、下痢、頭痛などの症状がなければ、学校を休む必要はありません。
2)伝染性紅斑(りんご病)
顔が赤くなり、腕や腿、体に発疹が出たときには、すでにうっる力が弱まっていることから、発熱、関節痛などの症状がなく、本人が元気であれば、学校を休む必要はありません。
また、いったん消えた発疹は日光に当たったり、興奮したり、入浴後などに再び出てくることがありますが、これらは再発ではありませんので心配いりません。
3)頭風(あたまじらみ)
互いに触れ合って遊ぶ機会の多い幼児・小児には最近ではよく発生します。発生した場合はその周囲がみんな一斉に治療を始めることが大切です。頭風は決して不潔だから感染したのではありません。頭風だからと差別扱いしてはいけません。
学校を休む必要はありませんが、できるだけ早く治療を受けてください。
4)伝染性軟属腫(みずいぼ)
幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ることもありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。
プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮き輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。この疾患のために、学校を休む必要はありません。
5)伝染性膿痂疹(とびひ)
水ぶくれや廉欄(びらん)からの浸出液を触ったり、引っ掻いたりすると、中の細菌で次々にうつります。特に鼻の入り口には原因の細菌が沢山いるので鼻をいじらないようにしましょう。
病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は学校を休んでの治療を必要とすることがありますが、病変部を外用処置して、きちんと覆ってあれば、学校を休む必要はありません。
平成22年7月
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会・日本小児感染症学会
更新日:2010/4/7(水)
大分大学医学部小児科学講座 是松 聖悟先生の許可を頂き、下記「子宮頸癌予防ワクチン」について、掲載いたします。
皆様の子宮頸がんへの関心がより深まり、予防としてワクチン接種をしてくださることを願っています。
「子宮頸癌予防ワクチン」
大分大学 地域医療・小児科分野 教授 是松聖悟 先生
子宮癌は、婦人科領域で、乳癌に次いで多い癌です。20-30歳代の癌としては、乳癌よりも多く発生しています。日本では毎年、約8,000人が子宮頸癌にかかり、うち約2,400人(つまり毎日7人)が死亡しています。その発症は20歳前から増え始め、30-40歳代でピークを迎えます。先進諸国の中でも日本の発症率は高く、その理由は2つ、①先進諸国の中でも際立って低い子宮頸癌検診受診率(日本は24%、米国は83%で、日本以外の先進国は全て60%以上)、②子宮頸癌予防ワクチンの普及の遅れ(世界100か国以上で既に導入)にあるのです。
その子宮頸癌予防ワクチンが、2009年12月に、日本でもやっと認可されました。子宮頸癌の原因は100%、ヒトパピローマウイルスとされており、そのウイルスに対するワクチンとなります。性行為によって女性の半数が25歳前までに、80%が生涯のいずれかの時期に感染し、その0.15%が感染から10年以上の年月を経て、癌化するのです。ごく初期に発見できれば切除だけで子宮を残すことは可能ですが、少しでも進行してから発見された場合、子宮を摘出してしまわねばならず、身体的、精神的な苦痛も伴います。
現在発売されているワクチンは、子宮頸癌発症の60-70%を占めるウイルスの種類をカバーしています。ワクチンの効果を最大限に発揮させるためには、sexual debut(初交)前の10歳代の「子供」のうちに接種することが推奨され、その免疫は20年以上持続するとされています。
子供に対して子宮頸癌の予防ワクチンと聞いても、すこしピンと来ないかもしれませんが、奇形児妊娠の予防となる風疹ワクチン(MRワクチンとして1歳時、就学前に2回接種で、特別措置として、あと2年間は中学1年生、高校3年生も無料接種できる)とともに、女の子には大切なワクチンだと認識ください。同ワクチンの主な副反応は、接種部位に数日残る腫れと痛みですが、それよりも3回の接種(初回、1か月後、6か月後に筋肉注射)で4-6万円の料金がかかってしまうことが痛いところです。先進各国では接種料の公費全額負担がなされており、国内でも、自治体によってはその一部の公的補助が検討されて始めていますが、まだ大分県内でそれが実現している自治体はありません。もちろん、私たち小児科医、産婦人科医は、その公的補助を国や各自治体にお願いし続けていますが、それを待っている間にも、ヒトパピローマウイルスの感染は思春期〜若い女性の中で進行していくのです。
誰しも、我が子が自分よりも先に亡くなることは想像できないと思います。「10歳代前半」に、同ワクチンの接種をご検討され、小児科を始めとする各医療機関に相談ください。そしてワクチンだけではなく、お母様ご自身も子宮頸癌検診を受け、癌を予防していく姿勢を子供たちに伝えていってください。
更新日:2009/12/3(木)
インフルエンザ抗原検出迅速検査(迅速診断キット) の使用について
当院では発熱後12時間以上経過していない場合、原則として、上記インフルエンザ検査は行いません。
発熱後12時間以内では、迅速診断キットによるウイルス検出率は低いためです。
当院では、厚生労働省の指針に則って診療をすすめております。以下の 厚生労働省「新型インフルエンザ対策関連情報」 新型インフルエンザに関するQ&A(厚生労働省ホームページ より抜粋)をご参照ください。
Q18.熱が出たらどうすればよいのですか。
どういう症状がでれば新型インフルエンザに感染したか疑うべきですか?
A.38℃以上の発熱があり、咳や咽頭痛等の急性呼吸器症状を伴う場合はインフルエンザに感染している可能性があります。
また、インフルエンザに感染している方との接触歴があるなども、感染を疑う上での参考になります。
ただし、症状で新型インフルエンザと季節性インフルエンザを見分けることはできないと言われています。
なお、持病のある方々など、感染することで重症化するリスクのある方は、なくべく早めに医師に相談しましょう。
また、もともと健康な方でも、以下のような症状を認めるときは、すぐ医療機関を受診してください。
小児の場合
①呼吸が速い、息苦しそうにしている
②顔色が悪い(土気色、青白いなど)
③嘔吐や下痢が続いている
④落ち着きがない、遊ばない
⑤反応が鈍い、呼びかけに答えない、意味不明の言動がみられる
⑥症状が長引いて悪化してきた
Q21.新型インフルエンザの診断方法を教えて下さい。 (医療機関でPCRをされなかったが大丈夫か)
A.新型インフルエンザ感染が疑われるのは、38℃以上の発熱があり、咳や咽頭痛等の急性呼吸器症状を伴う場合であって、迅速診断キットにおいてA型が陽性の場合や、医師が臨床症状などからインフルエンザ感染が疑われ、かつ地域において新型のインフルエンザが流行していることが明らかな場合などがあります。
確定診断のためのPCR検査は、こうしたインフルエンザ様症状を呈する者の中で「重症化するおそれのある患者(入院治療するなど、治療選択に際して確定診断の必要を医師が認める者)及び病原体定点医療機関を受診した患者に行われます。
PCR検査が行われなかった場合でも、医師の判断により適切に治療が行われますので、ご安心ください。
Q12.インフルエンザ脳症について教えてください。
A.インフルエンザ脳症は、インフルエンザ発病後急に症状が悪くなる病気で、主に5才以下の乳幼児がかかります。その初期にはインフルエンザの症状に加えて
(1)呼びかけに答えないなどの意識障害
(2)意味不明の言動、
(3)持続性のけいれんなどの症状が現れます。
このような症状が見られた際には、速やかに医療機関を受診して下さい。
また、強い解熱剤によりインフルエンザ脳症がより重症化することがあるため、解熱剤の使用はかかりつけの医師に相談して用いましょう。
更新日:2009/10/7(水)
季節性インフルエンザ予防接種 Q&A 2009年
Q1 接種後の入浴や、日常生活は?
A 入浴はしてよいです。過激な運動は避け、注射部位は清潔にして普段通りお過ごしください。
Q2 予防接種の効果は?
A 100%の予防効果があるわけではありませんが、インフルエンザに罹りにくくなる、あるいは罹っても症状の重症化を抑えることができ、合併症をおこしたり死亡する危険性が少なくなります。
2歳未満であれば若干効果は劣りますが、2歳以上では年齢があがるにつれ効果も高まります。
Q3 毎年接種しなければならない理由は?
A 毎年違うインフルエンザウイルスが流行するため、予防に必要な免疫も毎年違います。また、毎年同じインフルエンザウイルスが流行したとしても、予防接種で得られる免疫は約5ヶ月程度しか持続しません。以上2つの理由から毎年接種が必要です。
Q4 2回接種が必要な理由は?
A 13歳未満の年少児では、1回の接種では十分な免疫が得られない場合があるため2回接種が必要です。
13歳以上では、ここ何年間かの間にインフルエンザに罹ったことがあったり、インフルエンザワクチンを接種したことがあれば、1回接種でも十分な免疫が得られると考えられています。ただし、受験の予定があったり、その他感染予防を確実にしなければならない特別な事情のある方には、2回接種を勧めています。
Q5 2回接種の場合の接種間隔は?
A 原則的には、接種間隔は1〜4週間です。早期に有効な免疫を得るために1週の間隔で接種ができるようになっていますが、より免疫の獲得が良いのは3〜4週間の間隔で接種することです。
一方、小児では体調不良などで4週間以上の間隔をあけざるを得ない場合がありますが、最初からやり直す必要はなく確実に2回接種することが大切ですので、接種可能となったらできるだけ早期に受けましょう。
Q6 接種後の免疫の得られ方や持続は?
A 1回目の接種1〜2週間後に免疫が上昇し始め、2回目の接種後1ヶ月後までにはピークに達し、3〜4ヶ月後には徐々に低下傾向となります。よって、ワクチンの予防効果は、接種後2週から5ヶ月程度です。
Q7 成人女性への接種、妊娠中や授乳中の接種はどうなりますか?
A インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、胎児に悪影響を及ぼすとは考えられません。従って、接種後避妊の必要はありません。
妊娠初期は自然流産が起こりやすい時期であり、無用の混乱を避けるために、この時期の接種は避けた方が良いでしょう。妊娠中期(16週〜)以降で、インフルエンザ感染の可能性がある場合には、ワクチンの有益性を考慮して接種できますが、まずかかりつけの産婦人科の先生にご相談の上接種の許可をいただきましょう。
産後は、体調もほぼ回復する1ヵ月検診以降に接種するのが良いと考えますが、この場合もかかりつけの産婦人科の先生にまずご相談ください。
ワクチンの成分が母乳中に移行する量は極めて微量ですので、乳児への影響は無視し得ますから、授乳中であっても接種できます。
Q8 生後何ヵ月から接種できますか?1歳未満の乳児は接種した方がよいですか?
A 生後6ヵ月未満の乳児に対して、ワクチンの効果や副反応に関しての研究は少なく十分わかっていないこと、またこの月齢までは妊娠中に母親から移行した免疫の効果が多少期待できることなどから、生後6ヵ月未満の乳児には接種いたしません。
また、1歳未満の乳児では、ワクチンの効果は十分には期待できず、インフルエンザに罹っても症状が軽いことが多いといわれているため、積極的な接種は必要ないかもしれません。しかし、集団保育中で罹るおそれが高い場合など、それぞれの状況に応じて当院では生後6ヵ月より接種を行います。
1歳未満の乳児がいる場合、同居するご家族が予防接種を受け、ウイルスを家庭内に持ち込まないようにすること、家族内感染を予防することが大切です。
Q9 卵アレルギーがありますが、接種できますか?
A インフルエンザワクチンは発育鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造され、高度に精製されますが、極めて微量の鶏卵由来成分が含まれます。しかし、極めて微量なので全身性のアレルギー反応を起こす可能性は非常に低いと考えられ、軽症の卵アレルギーであればほとんどの場合は接種できます。例えば、卵の二次製品を食べても症状が出ない場合は、そのまま接種ができます。しかしながら、これまでに卵を食べて重篤な全身症状を起こしたなど過敏性の高い児や、検査の数値が高い児では接種できないことがありますので、医師と相談しましょう。
また、万が一アレルギー症状が出た場合の対応を考えて、接種後30分の間は院内で過ごして様子観察が必要ですので、卵アレルギーのある方は時間に余裕を持って早めに来院してください。
Q10 インフルエンザワクチンの副反応は?
A 副反応は、主に10〜20%の人に注射部位の反応として発赤、腫張(はれる)、疼痛、硬結(しこりができる)、熱感、しびれ感などが起こりますが、2〜3日でよくなります。自覚症状が強いときは、冷やしたり、ステロイド軟膏を塗ったりして様子をみます。
全身の反応としては、5〜10%に発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、嘔吐・嘔気、下痢、関節痛、筋肉痛などがありますが、これも2〜3日でなくなります。
過敏症として、まれに発疹、蕁麻疹、湿疹、紅斑、掻痒感などが数日間みられることがあります。
また、非常にまれにアナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、けいれん、肝機能障害、喘息発作などの報告があります。
Q11 風邪をひいた後はいつから接種できますか?
A 軽い風邪症状であれば、症状の回復期、あるいは症状が安定していれば接種できます。発熱があった場合は原則として解熱後1週間たってからですが、体調が良ければ1週間あけずに接種することも可能です。
例えば麻疹のような重症疾患では、罹るとしばらく免疫状態が低下するため、予防接種の効果が確実になる治癒後4週間後以降に接種します。
また、前に罹っていた感染症の続発合併症が起こる可能性のある間は、接種を控えた方がよいでしょう。例えば、溶連菌感染症(腎炎)やムンプス(髄膜炎)などでは注意が必要となります。
よくわからない場合は、医師に相談しましょう。
更新日:2009/7/1(水)
薬物療法 (平成23年2月一部改訂)
インフルエンザウイルスの体内での増殖を抑制する治療薬(内服、あるいは吸入薬、点滴製剤もできました)と、症状に応じた薬すなわち対処薬を処方します。
まず、治療薬は決められた通りしっかり確実に飲む(あるいは吸入する)ようにしましょう。症状発現から48時間以内の使用開始で、早ければ1日で、遅くても3日目には症状の改善がみられてきます。
そのほか「家庭で気をつけること」
1.安静臥床 :初期、極期には特にゆっくり休むことが大切です。無理矢理にとはいいませんが、家でのんびり、ごろりとしているのが一番です。
2.保温・加湿:厚着をさせたり、ふとんを何枚も重ねたりする必要はありません。暖めすぎは避け、熱が体にこもらないようにしましょう。寒くない程度の暖房、暑すぎない程度の調節をしましょう。また、インフルエンザウイルスは乾燥に強いので、室内は加湿をして感染力を弱めましょう。その他加湿の良い点として、のどや気管支にやさしく作用します。
3.食事 :食欲はなくてあたりまえ、ぐらいに考えて無理強いせず、好きなもので消化のよいものを与えましょう。
4.水分の補給:水分を十分にとって、脱水状態にならないように気をつけます。嘔吐や下痢などの腹部症状がみられることもありますので、お茶やイオン飲料などを少量ずつ頻回に与えましょう。お茶の成分の一つであるカテキンに抗インフルエンザウイルス作用があると言われています。
5.入浴 :初期、極期には入浴によってますます体力を消耗することもありますので、控えたほうがよいでしょう。しかし、ある程度元気がでてくれば、疲れさせないように気をつけてお風呂でサッパリするのはかまいません。
6.次の診察 :先生が指示した日、処方した薬がなくなるけれど症状が続く場合などには必ず受診して下さい。合併症をおこしていないか診察して判断します。さらに、元気がなくなった、何度も吐く、咳でよく眠れないなど、いつもと違うと感じたら早めに受診して下さい。
【登校・登園について】 平成23年2月改訂
インフルエンザは、学校保健安全法(最終改正:平成21年3月31日)第十八条で第二種の感染症に分類されており、感染力を考慮して、「解熱した後2日を経過するまで」を出席停止の期間の基準とされています。
しかしながら、インフルエンザの治療薬を発熱後48時間以内に使用(内服薬、吸入薬、点滴薬)すると、早期に解熱してしまい治ったように思えますが、感染力はまだまだ残っています。インフルエンザの治療薬を使用した場合は、治療開始から少なくとも5日間は休みにして下さい。その間はゆっくり自宅で休ませ、体力の回復を目指しましょう。
欠席扱いになりませんので、学校や幼稚園に届け出をして下さい。
更新日:2009/7/1(水)
⑴手足口病とは
手足口病は、乳幼児・小児によくみられる疾患で、病名のごとく手のひら、足の裏、口の中の発疹が特徴です。一般的には、約1/3に微熱を伴う軽い病気で、ほとんどの人が1週間から10日程度で自然に治ります。夏を中心に流行します。合併症はほとんどありませんが、まれに髄膜炎、小脳失調、脳炎などの中枢神経症状がみられると入院が必要となります。
⑵原因
手足口病はいくつかのウイルスが原因でおこります。最も一般的なのはコクサッキーA16ですが、その他エンテロウイスル71なども原因となります。いずれのウイルスでも現れる症状は同じです。
⑶症状
手足口病の発疹の特徴は、手のひら、足の裏、手や足の指と指の間にできる水疱性の発疹(中に水を持った小さな水ぶくれのような発疹)で、口の中にも同じような発疹がみられることです。口の中の発疹は痛みを伴うことがありますが、手足の発疹はかゆみや痛みを伴わないのが普通です。発疹は、手足全体、肘や膝、あるいはお尻にみられることもあります。
その他の症状として、発熱はないことが多いですが、病初期に約1/3に微熱を1〜2日伴うことがあり、また軽いのどの痛みとそれによる食欲低下(おなかはすくが、痛みのために食べられない)がみられます。
⑷潜伏期間
感染してから手足口病の症状がでるまでの期間(潜伏期間)は、一般的に3日から6日と報告されています。
⑸感染経路
感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・接触などの経路により人から人に感染します。水疱内容からの直接感染もあります。
⑹どのような人がかかるのか
通常は、10歳以下の乳幼児・小児にみられますが、大人もかかることがあります。一度かかると免疫が成立し(防御の仕組みができあがる)ますが、手足口病の原因ウイルスは複数ありますので、免疫の成立していない別のウイルスによって再度かかることがあります。
⑺治療法
手足口病を根本的に治す治療法はありません。発熱、頭痛、口の中の痛みなどの、それぞれの症状を和らげる治療を必要に応じて行います。発疹は、基本的には自然に消えていくのを待ちます。
⑻家庭で気をつけること
①食べ物;口の中が痛い時は、しみないもの、のどごしの良いものを与えましょう。熱いもの、塩味や酸味の強いもの、かたいものはひかえます。口の中が痛くて水分を取らず、元気のない時は診察を受けて下さい。
②入浴;熱がなく元気であれば、かまいません。
⑼どのような症状の変化に注意したらよいか
突然の高熱、あるいは微熱でも持続する、頭痛・嘔吐を繰り返す、意識状態に変化がみられるなどの場合は要注意です(髄膜炎などの可能性)。診察を受けて下さい。
⑽保育所、幼稚園、学校
熱がなく元気で食欲良好であれば、行ってかまいません。
ただし、保育所、幼稚園では、集団発生を避けるために休むようにお願いされることがあるようです。
⑾予防方法
手足口病には有効なワクチンはありません。従って
・手洗いの励行(これは特におむつなどを交換したときに重要です)
・汚れた衣服は洗濯する
といった、一般的な注意が必要です。
更新日:2009/7/1(水)
「ことばが遅い」見るべきポイント
以下の4点が問題なければ、見守りながら、お話しできる日を期待して待ちましょう。
①日常的なことばの理解ができているか。
「ごみポイしてきて」とか「そのお手紙、パパにあげて」など、ごく簡単な指示がわかるか。
②聴力に障害がないか。
チャイムの音や、飛行機の音などに敏感に気づく様子があるか。
③対人関係は良好か。
視線が合いにくかったり、コミュニケーションが取りづらいという感じがなく、一緒に楽しくやりとりしながら遊べるか。
④行動面で心配な点がないかどうか。
落ち着きがない、注意集中時間が短い、変わったくせやこだわりがある、などの気になる行動が見られないか。
「お話しできる日を期待して待つ」間にしたほうがいいこと
①からだを使った大人とのかかわり遊び
ことばの発達のためには、脳を含めたからだ全体の働きがよくなるような働きかけが必要です。一番手っ取り早いのは、からだを使うかかわり遊びです。おんぶして走るとか、シーツや毛布に入れて揺する、ぎゅっと抱きしめたり、わらべ歌で手遊びをするなど、大人とのからだを通したかかわりを楽しみましょう。
②規則正しい生活、テレビに依存しないで外遊びや実物に触れる経験
規則正しい生活は、からだの調子を整え、ことばの学習の準備になります。
また、子どもはことばをからだで覚えていきます。テレビや絵本などの間接的なものではなく、実物を見たり、聞いたり、触ったり、味わったり、感動したり、が大事です。
③「気持ちをわけあうこと」を大切に
ことばが育つには、この人にわかってもらいたい、伝えたいという気持ち(コミュニケーション意欲)が育つことが大切です。
そのためには、困った時に助けてくれたり、自分の気持ちを代わりに「おいしいね」と言ってくれる大人の存在が大事です。子どもが出す声や音をそのまま真似て返してあげるのも、気持ちを判ってくれている、という安心感を育てることになります。
④ゆっくり はっきり くりかえして話す
子どもがことばを聞き取る力は大人が考えるよりずっと未熟です。自分たちが習いたての外国語を聞くときのことを想像して、ゆっくり、はっきり、くりかえして話しかけてあげましょう。
⑤ジェスチャーや指さしなど、視覚的な支えをじょうずに使って
ことばでの話しかけだけでなく、目で見て分かるような働きかけをしてもらえるととても助かります。抱っこひもを見せながら「お外へ行こうね。抱っこして 行くよ」とか、「これ、バナナだね。おやつに食べようね。」と指さすなど、視覚的に分かりやすいように示してあげましょう。
⑥子どもの興味に合わせてことばをかける
子どもが飛行機を見ているときに「ヒコウキだね」とことばをかければ、それが「ヒコウキ」だと覚えられます。でも足元のボールを見ているときに「ほら、見てごらん、ヒコウキだよ」と言われても、急には注意を向けなおすことはできません。大人が教えたいものに無理やり注意をむけかえさせるのではなく、子どもが注意を向けているものについて大人が話しかけてあげることが大切です。
更新日:2009/7/1(水)
頭を打った後、一時は何ともなくても、合併症による症状がしばらくしてから出てくることがまれにあります。合併症として、特に頭蓋骨の内側に出血が起こった場合、生命に危険を及ぼすことが多く注意が必要です。この場合早く気づいて適切な処置が受けられるように、72時間(3日間)はお子様の様子をよく観察しましょう。
頭を打った後最初の夜には、念のため夜中に必ず声をかけて起こして見て下さい。
下記の症状が現れた時は、すぐに診察を受けましょう。
⑴ぼんやりしたり、意識状態がおかしい。顔色が悪い。
ぐったりして元気がなくなる。
呼びかけても目を覚まさない、一旦起きてもすぐに眠り込む。
つねっても反応が鈍い。
⑵話が通じない。話の内容がおかしい。
⑶異常に暴れたり、ひどく汗をかく。
⑷いつまでもぐずる。
⑸けいれん(ひきつけ)を起こす。
⑹頭痛がひどい。
⑺吐き気がだんだん強くなる。繰り返し吐く。
⑻鼻血が止まらない、耳から出血している。
⑼手足が動かない、動かしにくい、力が入りにくい、しびれる。
手足の動きに左右差がある。手に持った物を落としてしまう。
しゃべりにくい。
⑽フラフラしてまっすぐに歩けない。
⑾目の動きがおかしい。
⑿「物が見えにくい」と子どもが言うとき。
更新日:2009/7/1(水)
1;とびひとは
皮膚の浅い部分に水疱(水ぶくれ)や膿疱(膿をもった水ぶくれ)ができる病気で、細菌が感染してこのような状態になるものをいいます。水疱の中には細菌が多く存在しますので、この細菌に接触することにより次々とひろがり、他人にも伝染します。その様子が火の粉が飛び散って火事が広がるさまに似ているので俗に『とびひ』と呼ばれています。
主に高温多湿で発汗が多く皮膚も不潔になりやすい夏に、幼児(1〜6歳)におこりやすい病気ですが、最近の環境の変化、例えば冬でも暖房がゆきとどいていて室温が下がらないことや地球の温暖化などの影響で冬でもみられることがあります。まれですが小学生や成人もかかることがあります。
また、アトピー性皮膚炎、虫刺され、あせも、小さな外傷など皮膚に損傷のあることろに細菌は付きやすく好発します。
2;原因となる細菌
黄色ブドウ球菌と連鎖球菌ですが、多くはブドウ球菌が原因です。
3;症状と経過
初めは小さな水疱ができ、次第に大きくなり膿疱となります。かゆみがあり破れやすく、やぶれるとじくじくしてその後かさぶた(痂皮)ができます。その間新しい水疱が次々と増えます。次第に乾燥していき全体の経過は2〜3週間位といわれています。
連鎖球菌の場合、治った後まれですが急性腎炎を起こすことがあり注意が必要です。
4;診察、検査など
症状から診断は容易なことが多いのですが、時に様々な水疱症との区別が必要になることもあります。診断が難しい場合、治療に対する反応が悪い場合には、水疱や膿疱の内容の検査(細菌培養など)が必要になります。
5;治療
とびひが軽いものでは皮膚の処置(局所療法といいます)だけで充分なこともありますが、感染の拡大を防ぐことができるという理由から抗生物質の内服(全身療法といいます)を併用します。そうかなと思ったら早めに受診してください。
●局所療法 まず、石鹸をよく泡立てて丁寧に洗って、流水できれいに流して下さい。以前はとびひの部分を消毒していましたが、ほとんど必要ありません。その後、抗生物質含有の外用剤(例えばアクアチム軟膏)を塗布します。外用は基本的には1日2回で1週間程度です。ステロイド剤を併用することもあります。その上を何かで覆うことはまずしませんが、場合によってはガーゼや包帯で覆います。
●全身療法 抗生物質を5日から1週間程度内服します。かゆみが強い時には、かゆみ止めの抗ヒスタミン剤なども内服してもらうことがあります。
治療開始後は、3日頃を目安に再受診していただき、治療の効果を確認いたします。
6;一般的注意および予防
入浴;とびひが軽い段階では入浴してもかまいませんが、兄弟との一緒の入浴は避けましょう。とびひの範囲が広かったりじくじくしている場合には、シャワーで汗を流すようにしましょう。清潔を保つために石鹸は使って、泡でそっとやさしく洗ってよく流します。その後は処方された外用剤を使用して下さい。
幼稚園や保育園などの集団生活;幼稚園や保育園によって決められているところもあるようですので、それぞれの園の先生に相談してみましょう。一般的にはじくじくが多い間は休ませたほうがよいですが、乾燥し始めれば登園はさしつかえありません。プールはじくじくする間は休み、乾燥してからにしましょう。
その他;水疱や膿疱のある部分やじくじくしている所を掻いたり触ったりしてはいけません。爪をよく切り、手をこまめに洗うようにしましょう。
予防;日頃から皮膚の清潔に心がけ、汗をこまめに洗い流し、また爪をよく切り手の清潔にも注意しましょう。虫刺されを掻き壊したりしないように、また皮膚の小さな傷に細菌が付かないように早期から治療しましょう。
更新日:2009/7/1(水)
1;水いぼとは
皮膚に痛みのない白っぽいいぼができる病気で、ウイルスの皮膚への直接感染で起こります。俗に『水いぼ』と呼ばれています。
小児、特に幼児・学童期のこどもによく見られます。アトピー性皮膚炎、乾燥性皮膚である児に多いようです。水泳が始まるということで、夏に医療機関を受診することが多いですが、実際には一年中を通して見られます。
感染力はそれほど強くないのですが、家族内、保育園、幼稚園などの集団生活や、プールあるいはお風呂などで皮膚から皮膚へと直接に接触感染します。
潜伏期(感染してから症状がでるまでの間)は、14日から50日といわれています。
2;原因となるウイルス
ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスが原因です。
3;症状と経過
多くは胸部、腹部、背部、四肢にみられ、小さいものは直径1〜2mmで、十分に発育したものは直径4〜5mmとなり、円形か半球状に盛り上がっています。中央に臍のような小さな凹みがあり、光沢のある正常皮膚色からやや赤味のある柔らかいいぼです。中には白色の粥状物質が入っています。自家接種により多発する傾向にあります。自然に治るまでに、長い例で2年から3年かかるといわれます。
4;診察、検査など
症状から容易に診断は可能です。
5;治療
最も一般的で確実な方法は、それぞれのいぼの内容物を取り除くことで、ピンセットを使ってつまみ取ります。わずかに出血しますが、軽く圧迫しておけば止ります。あまりに小さいいぼはつまむのが難しいことがあり、このような場合はもう少し大きくなってから改めて取ることもあります。取った後は清潔を心がけて下さい。自然にきれいになります。場合によっては消毒液で消毒し、念のため細菌が感染しないように抗生物質含有軟膏を塗り、時にガーゼや絆創膏をあてることがあります。取った日の入浴は普段通りでかまいません。
しかしながら、この方法はつまみ取る時にかなりの痛みを伴うため、いぼがたくさんある場合や泣いて暴れる場合には全部取ることが難しいことがあります。
また、水いぼには潜伏期がありますので、1度取ってもまた出てくることもあり、繰り返し治療が必要なこともあります。
このつまみ取る方法以外に、イソジン液・スピール膏法、硝酸銀ペースト法、液体窒素による凍結療法、などがあり、皮膚科を紹介させていただくこともあります。
さて、この水いぼは自然に治る(数カ月から1年以上かかることが多い)ものであり放置して様子をみるという選択もできます。しかし、伝染性があるため多発して全身に広がる恐れ、また他人へうつし迷惑を及ぼす恐れもあるため、できるならば数の少ない間に受診し取り除くほうがよいでしょう。
6;予防法
家族間(兄弟姉妹間)での感染予防はなかなか難しいですが、1人の水いぼに気付いたらほかの子に感染する前に早期に治療することが望ましいです。一緒の入浴を避ける程度の注意はしておきましょう。
アトピー性皮膚炎のこどもでは、かゆみのため掻き壊した傷からの感染が多いため、とくにプールに入る際には、アトピー性皮膚炎の治療をしっかり行っておくことが望ましいです。
プールに入る場合には、プールから出た後にシャワーをよく浴びて、体を十分に洗い流すとよいでしょう。
いずれにしろ、感染している人との接触を避けることが、感染や拡大を最小限に防ぐことになります。
更新日:2009/7/1(水)
イオン飲料は、下痢や嘔吐による軽度の脱水がある場合に利用されます。(脱水が改善すればイオン飲料は必要ありません。)
このような下痢や嘔吐の症状がでる胃腸炎で利用されたことや、学童では以下の①、②をきっかけにイオン飲料を飲む習慣がついてしまうことがあります。
①スポーツ:いろいろなスポーツで運動して汗をかいたとき、イオン飲料(スポーツ飲料)を飲む傾向がありますが、これがきっかけとなりイオン飲料のペットボトルを持ち歩き、だらだら飲みの習慣がついてしまいます。
②塾通い:放課後、塾通いの学童は、行き帰りに食物と一緒に飲み物を買うことが多いようです。水代わりにイオン飲料を飲み、電車の中でも道を歩いていても、なんとなく飲む習慣がついてしまいます。
普通の食事をしている学童がイオン飲料を飲み過ぎると、イオン飲料分の電解質が多いためのどが渇くようになります。また、イオン飲料は糖分濃度が高く甘味が強いため好んで飲まれます。そのため、絶えずイオン飲料を飲んでしまう悪循環に陥ります。
イオン飲料のpHは3.6〜4.6と低値です。pH5.4以下では歯のエナメル質の脱灰がおこり虫歯になりやすいのですが、イオン飲料が絶えず口腔内に残存するということは、生えて間もない幼若永久歯が虫歯となってしまう原因となります。
さらに、イオン飲料の飲み過ぎは、糖分の過剰摂取をもたらし肥満になったり、耐糖能を障害し一時的な糖尿病状態になる原因となります。この糖尿病状態に気づかないでますます多飲すると、ケトアシドーシスや昏睡という身体に危険な状態を引き起こす「ペットボトル症候群」になる可能性があります。
*そこで、対策です。**************
⑴運動で汗をかく時はイオン飲料を薄めて飲み、運動が終わったら普通の水を飲みます。
⑵下痢や嘔吐でイオン飲料を利用した時は、症状が軽快したら中止します。
⑶ペットボトルを持ち歩いていつも飲む習慣や、食事をしながらイオン飲料を飲む習慣を付けないようにします。
⑷のどが渇いた時は普通の水を飲みましょう。
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更新日:2009/7/1(水)
イオン飲料は、下痢や嘔吐による軽度の脱水がある場合に利用されますが、脱水が改善すればイオン飲料は必要ありません。
むしろ、以下のように体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
①普通の食事をしている乳幼児にイオン飲料を与えると、イオン飲料分の電解質が多くなり、のどが渇きます。その結果、イオン飲料を絶えず飲んでいなければならない状態になります。
②また、イオン飲料は糖分濃度が高く甘味が強いので、イオン飲料を飲むことが習慣化する傾向があります。
③イオン飲料のpHは3.6〜4.6と低値です。pH5.4以下では歯のエナメル質の脱灰がおこり虫歯になりやすいことがわかっています。ですので、イオン飲料が絶えず口腔内に残存することは虫歯の原因となります。夜寝る前や、夜中に起きたときにもイオン飲料を与えると、ますますこの傾向が助長されます。
④イオン飲料を多量に与えると、糖分の過剰摂取となり肥満の原因となります。しかしそればかりでなく、イオン飲料で満腹感が得られるため、バランスのよい十分な食事が摂れず全身の発育に影響を与える恐れもあります。
*そこで、対策です。**************
⑴過激な運動や極端に汗をかいた時以外は、普通の水を与えます。
⑵イオン飲料を水の代わりに使用しないようにします。 ⑶下痢や嘔吐でイオン飲料を飲ませた時は、症状が軽快したら中止します。のどが渇いた時は普通の水を飲ませるようにします。
⑷寝る前や寝ながらイオン飲料を与えないようにします。
夜中にのどが渇いた時には水を飲ませます。
⑸寝る前に歯を磨きましょう。やむを得ず、寝る前や寝ながら与える時は水を飲ませます。あるいは、与えた後に綿棒やガーゼを巻いた指先で口腔内を清拭します。
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更新日:2009/7/1(水)
〜1歳未満で血液型検査をご希望の、保護者の方へ〜
ABO血液型には、「自分が持っていない型と反応する抗体が必ずつくられ存在する」という特徴があります。
例えば、A型の人は、赤血球の上にA抗原を持ち、血清の中に抗B抗体を持っています。B型の人は、赤血球の上にB 抗原を持ち、血清の中に抗A抗体を持っています。AB型の人は、赤血球の上にA抗原とB抗原を持ち、血清の中には抗A抗体と抗B抗体を持っていません。O型の人は、赤血球の上にはA抗原もB 抗原も持っておらず、血清の中には抗A抗体と抗B抗体を持っています。
そこで、ABO血液型については、赤血球上の抗原を調べる「オモテ検査」と、血清中の抗体を調べる「ウラ検査」の両方を行って総合的に判断します。
ところで、赤血球上の抗原であるA抗原とB抗原は胎児期でも検出できますが、新生児でもまだ十分でなく成人の抗原の1/3程度の量で、2〜4歳頃に成人並みになります。
一方、血清中の抗体である抗A抗体と抗B抗体は免疫グロブリンといわれる物質で、新生児では発達しておらず生後4カ月頃から作られるようになり、1歳頃には、ほぼすべての子どもで検出できるようになります。
このようなことから、1歳未満の乳幼児のABO血液型検査では、おもに本来あるべき抗A抗体と抗B抗体の産生が不十分なため、「オモテ検査」と「ウラ検査」の一致率は約50%といわれています。つまり、成人と比べて子ども、特に乳児早期のABO血液型検査は、調べるのに条件が悪いのです。
そのため、検査機関では1歳未満の乳児では、「ウラ検査」は行わず、「オモテ検査」だけで、ABO血液型を判定しています。
ですので、より信頼性の高い結果を得るには、「オモテ検査」と「ウラ検査」の両方ができる1歳以降のほうがよいのです。
「血液型が変わった」と思われているケースで実際に多いのは、記憶違いや、条件の悪い乳児期の検査で誤判定されたものといわれています。本当に血液型が変わるのは、血液型が異なる提供者から骨髄移植などの造血細胞移植を受けた場合です。
以上のことをご理解いただいた上で、血液型検査を受けることをお願いいたします。
なお、輸血の可能性がない状況で「血液型を知っておく」ために行う検査は、健康保険の対象外であり、自費となります。
更新日:2009/7/1(水)
1.B型肝炎ウイルスの母子感染とは
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBVといいます)によっておきるもので、主に血液によって感染します。我が国では100人に1〜2人の割合で、からだの中にB型肝炎ウイルスを持っている人(HBVキャリアといいます)がいます。女性でHBVキャリアである場合、妊娠中や出産時にその女性の血液が赤ちゃんにふれることで、赤ちゃんにB型肝炎ウイルスが感染することがあります。これを母子感染といいます。すると、免疫機能が未熟な赤ちゃんは母親と同様にHBVキャリアとなり、将来慢性肝炎や肝硬変、肝がんになるおそれがあります。また、B型肝炎ウイルスの少ないHBVキャリア女性から生まれた場合は、出生後に赤ちゃんが急性肝炎にかかることがあります。
このため、赤ちゃんが生まれたら、ただちにB型肝炎ウイルスの感染を防止するための治療を開始していくことが大切です。
2.B型肝炎ウイルスの母子感染を防止するために
⑴母子感染の防止方法
B型肝炎ウイルスの母子感染を防止するためには、HBVキャリアの母親から出生した赤ちゃんに対して、B型肝炎に対する抗体(免疫)をたくさん含んだグロブリン(HBIGといいます)や、B型肝炎ワクチンを投与することが必要です。
⑵キャリアである母親自身の検査について
B型肝炎ウイルスが赤ちゃんに感染しやすい程度を調べるための検査、すなわちHBe抗原検査を必ず受けましょう。母親がHBe抗原陽性のとき、赤ちゃんへのB型肝炎ウイルスの感染率は100%で、このうちの85〜90%はHBVキャリアとなります。母親がHBe抗原陰性のときは、赤ちゃんへの感染率は10%程度で、キャリア化することはまずありませんが、急性肝炎や劇症肝炎をおこすことがあります。
3.キャリアである母親自身の健康のために
母親がB型肝炎ウイルスを持っているHBVキャリアである場合、肝炎の症状や肝機能異常が続かないかぎり、健康者と同様に過ごすことができます。しかし、健康状態の確認のために、定期的な健康診断や検査を受けることをお勧めします。
4.B型肝炎ワクチンの効果と副反応
B型肝炎ワクチンの投与により、ほとんどの赤ちゃんが感染を防止することができます。すなわち、母親がHBe抗原陽性であっても、適切な母子感染防止の治療を受ければ、赤ちゃんの95〜97%はキャリア化を防ぐことができます。しかし、数%の率で出生時に既に子宮内で感染している例があり、このような例では残念ながら防止のための治療の効果はありません。
B型肝炎ワクチンによる副反応は、大人では局所の発赤や軽度の発熱が数%にみられることがありますが、小児ではこれらの副反応はまれにしかみられません。
5.B型肝炎ワクチン接種後の経過観察について
一部の赤ちゃんでは、ワクチンによる免疫がつきにくい例や、一度ついた免疫が段々と低下する例があります。この場合は、必要に応じてワクチンの追加投与を行います。すなわち、ワクチン接種が終了しても、継続して免疫が上がっているかどうか、またB型肝炎ウイルスの感染を起こしていないかどうか、定期的に確認する必要があります。観察期間は少なくとも3歳まで、半年〜1年毎のチェックで良いと考えます。
6.母乳について
母親がHBVキャリアであっても、赤ちゃんへの感染防止が適切に行われている限り、授乳制限は必要ありません。ただし、母親の乳首に明らかな傷があったりして出血している場合には、感染を防御できる量を上回るB型肝炎ウイルスが口腔の粘膜を介して赤ちゃんの血液中に入り、感染するおそれがありますので、傷などが治るまでの間授乳は控えて下さい。
7.他の予防接種について
生後3カ月から、BCG、ポリオ、DPT(ジフテリア、百日ぜき、破傷風)が受けられます。B型肝炎ワクチンの接種とともに、いつ頃、どの予防接種を受けていくか予定を立てていきましょう。
更新日:2009/7/1(水)
一般的に入浴には、
①皮膚を清潔にし、皮膚呼吸を助ける
②皮膚に刺激を与え、血行をよくする
③身体を温め緊張を解きほぐす
④精神的疲労を取り除く
といった効果があります。特に子どもは活動的で新陳代謝も活発ですので、お風呂に入って汚れを洗い流すことが必要です。
では、風邪などをひいて病気の時には、入浴はどうしたらいいのでしょうか?
かなり以前は「いわゆる内風呂が少なく銭湯利用が多かったため、病気の子どもにはその衛生状態が気がかり」とか、「日本人は熱い湯に入ることが多いので、病気の時は体力を消耗し症状を悪化させる」などと考えられ、今までは入らないように指導されることが多かったようです。
しかし、これには明確な根拠があるわけではありません。また、欧米には古くから風邪で発熱した子どもを水やぬるま湯に入れて熱を下げるという、全く逆の習慣があるようなのです。
そこで、風邪などの病気の時の入浴は下記のような点に気を付けてみましょう。
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・発熱の程度が強くてつらそうな時には、入浴はひかえましょう。
・発熱がなくても病気の影響で入浴をいやがる時には、無理に入れることはやめましょう。
・咳や鼻水がでていても、顔色がよく、食欲や元気もある場合は、入浴しましょう。
・とびひ(伝染性膿痂疹)、みずぼうそう(水痘)に罹ったり、虫さされを掻き壊した場合でも入浴は差し支えありません。ただし、浴槽をきれいに水洗いし一番湯に入りましょう。それができなければ、シャワーか清潔なお湯を浴びるだけにしましょう。
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発熱時の入浴のポイント
①入浴のタイミング 体温の上昇により身体が熱感やほてり感を伴うようになったころを見計らう。悪寒を伴う発熱初期には避ける。
②入浴する際、特に冬季は、脱衣所や浴室をあらかじめ暖房器具などで暖かくしておく。
それができなければ、昼間の暖かいうちに入浴する。
③子どもは発熱に強く38℃くらいの熱でも平気で、冷やすのを嫌がる場合がある。
熱を下げるには、発熱時の体温よりやや低めの微温湯(37〜38℃)に入るとよい。
微温湯から上がった後はすぐに衣服を着せる。
④41℃前後の熱い湯で長時間温まった時には、必ず寒くない場所で肌着一枚かバスタオルをまとうくらいにし、ほてりを冷ましてから衣服を着せるようにする。ほてりが冷めないうちに着せると、ほてりが増し汗をかく。汗が冷えて熱が奪われるために、かえって湯冷めする。
⑤入浴後少し熱が上がることもあるが、その後下がる。ただし、解熱鎮痛剤を用いたときと同様、一度熱が下がっても再び上昇することはあり、その場合は回復を待つしかない。
⑥お風呂に入らなくても、微温湯を浸したスポンジやタオルで身体を拭いたり、ぬるめのシャワーを浴びた後乾いたタオルで拭き取るのもよい。
更新日:2009/7/1(水)
乳幼児の皮膚には毛細血管がたくさんあり、皮膚の新陳代謝は大人の約2倍にもなります。このため、乳幼児の皮膚は汚れやすいので、毎日お風呂に入って汚れを取り、皮膚を清潔にしておかなければなりません。しかし、病気でお風呂に入れないときは、お風呂の代わりに体を拭いてあげましょう。
皮膚を拭くときは、浴用タオル(又は洗い布)で拭くのが原則ですが、湯冷めしないようにすみやかに行います。
拭き方例
①用意するもの
バスタオル、浴用タオル又は洗い布(ガーゼ)、石鹸、
お湯と洗面器、お湯がこぼれてもいいようにシート又は
新聞紙
②暖かい部屋で乳幼児の服を手早く脱がせ、裸にした乳
幼児をすぐにバスタオルでくるみます。
③顔から拭いていきます。
洗面器に入ったお湯にひたした浴用タオル(又は洗い
布)をよくしぼり、拭いていきます。
④手と足を拭きます。
手のひらや足の裏は汚れていることが多いので、丁寧に
拭きます。
⑤おなかや背中を拭きます。
拭いたところはすぐにバスタオルでくるんで寒さから守
ります。
⑥おむつをはずして、おしりをきれいに拭きます。
特にうんちの後は、ぬるま湯でよく拭いておきます。
⑦盲点となりやすい部分は、背中と脇の下、顎の下、耳の
後ろ、そして頭です。
この部分は最後にきれいかどうか、もう一度確認してお
きます。
⑧拭き終わった後は、体が冷えてくるので、すぐにパジャ
マなどを着せます。
更新日:2009/7/1(水)
子どもが公共の場であるお風呂屋さんや温泉などの外湯を利用するときには、下記のような点に配慮が必要となります。
⑴温泉旅館のお湯は、大抵42〜43℃と熱いので、子ども
の入浴には適しません。
⑵温泉には重曹泉、硫黄泉、明ばん泉などがありますが、
皮膚の角質層の柔らかい子どもには無用と思われます。
⑶3歳までの子どもは、温泉水を飲んでしまうことがあ
り、寒気、食欲不振、頭痛、下痢などの症状を起こすこ
とがあります。
⑷入浴中におしっこやうんちをすることがあるので、おむ
つがはずれる3歳頃までは入れづらいものです。
⑸子どもは風呂場の中で、走り回ったり騒いだりすること
があるので、温泉を楽しみにしてきた人に迷惑をかける
ことがあります。
⑹温泉には段差があり、転ぶ危険性があります。転倒事
故を防ぐためにも、大人と同じ動作で階段の上り下り
ができるようになる3歳頃までは避けたいものです。
⑺外湯には浴槽の深いものがあり、溺れる危険がありま
す。浴槽での溺死事故は、2〜3歳頃の子どもに起こり
やすいのです。
⑻乳幼児の動きは予測がつきません。転んで怪我をするこ
ともあるので、バランス感覚が出来上がった頃がいいよ
うに思います。
※一人歩きは1歳、転ばずに走るのは2歳、けんけん飛
び3歳6カ月、片足で10秒間立っていられるのは4歳7
カ月、スキップは5〜5歳6カ月で、この頃やっとバラ
ンス感覚が出来上がります。
以上から考えると、子どもの外湯は3歳頃までは好ましくないようです。
3歳以前に利用する場合は、上記のことにご注意ください。
もちろん3歳以後も注意が必要です。